『びいどろの神髄』とは、華やかさの中にも侘び寂びを感じる「色彩」と、江戸文化を背負った生活様式からくる「形」であると瓶泥舎は考えます。 四季の移ろいの中に、日本人の美の心を宿した伝統色。日本では古来、暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細で微妙な色の世界を見出し、その豊かな情趣を愛でてきました。透明、瑠璃、琥珀、藍、紫、若草など、日本のガラス製法の中で、自然素材や天然鉱物から生まれた独自の色彩は、光を通すガラスでしか表現できない魅力に満ちています。
平成23年4月9日に瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館が誕生し、早いもので5年目を迎えることができました。瓶泥舎ならではの独特な企画を立て、年2回の展示替えを行ってまいりました。記念すべき10回目の展覧会は『びいどろ・ギヤマン名品展』とし、瓶泥舎コレクションの中から、この機会にしか見られない優れた作品の数々を厳選し、中でも瓶泥舎が追及している「美しい」という観点でこだわり抜いた世界を展開します。
愛らしく華やかな、数々のびいどろの食器。鉢や徳利などには凛とした独立した美しさを、向付や皿など数揃いには整然とした迫力を感じます。和食が無形文化遺産に登録された今、日本人として誇る食とうつわに、江戸の文化とともに迫ります。
光と影をテーマに、和ガラスの魅力を表現した「和ガラスの美 ― 光のエレガンス」。ガラスは唯一光を通す工芸品であり、そのガラスの持つ魅力を最大限に引き出す効果は照明にあります。自然光では表現できない、瓶泥舎独自のLED照明による初めての「光と影」の演出です。