中川浄益 八角二段食籠(じきろう)
底に刻まれた「浄益造(花押)」の文字から、千家十職の一人で金工師の中川浄益家、八代目(1830-70)作とわかる。二段目の底に嵌め込まれた赤色の板ガラスは輸入物であろう。
江戸時代、「びいどろ」「ギヤマン」と呼ばれた和ガラスは、宴の席を涼やかに演出し、洒落者の装いや嗜みに華を添えました。茶席の菓子器。徳利と盃。秋の虫聴きに使われた虫籠。貴人の持ち物であったろう櫛。食のうつわをはじめ、住まいの道具や装身具など、美しく洗練されたガラスが並びます。
※会期中、一部展示替えを行う場合があります。